光の中へ出ていこう

自分が関心を持ったことの記録

クリーン大作戦

僕が小学生のころ、クリーン大作戦という行事が年に三、四回のペースで行われていた。

クリーン大作戦というのは、学校から自宅までの通学路に落ちているゴミをみんなで拾いながら帰るもので、一年生から六年生まで全児童がそれに参加した。皆軍手やゴミを拾うハサミ、箒やちりとりを片手に一斉に下校したのを覚えている。拾ったゴミは各家庭で処分していた。

小学生の頃は、通学時に班を組んで登校した。実家であるマンションの前の駐車場に集まり、班の生徒が集まったところで登校する。先頭が六年生、その後が一年生、二年生と順に学年が上がっていき、最後尾は五年生が歩く。実家を離れて十年以上経つので今はどうなっているかわからないが、当時は小学生が多く、実家のマンションだけでも五、六組の班ができていた。

クリーン大作戦はその班ごとに集まってゴミを拾いながら下校する。小さい頃から学校での掃除が嫌いではなかったので、特にコレと言ってイヤな思い出のある行事でもなかった。登校は毎日同じ生徒で、下校はいつもバラバラ。クリーン大作戦のときだけ行きも帰りも同じ班で下校することに少しだけ違和感があった。

下校する時には決められた道を帰るという決まりがあり、友達の家に寄るために違う道から帰ると、班破りと言われ、見つかると先生からお叱りの対象となった。

小さい頃から小心者で、班破りなどできなかった。たまに友達に誘われて違う道から帰るときなどは尋常ではないくらい緊張したのを覚えてる。誰かに見つからないか、気が気ではなかった。

家から学校までは子供の足でも約三十分くらいかかり、その学校圏内ではかなり遠いほうだった。学校とは反対方向に家から十分くらい歩くと別の学校があり、どうしてわざわざ遠い学校に通わなければならないのか不思議に思っていたが、実際に親や先生たちに質問することはなかった。それが当たり前で皆そうしているからそうするものだとくらいにしか思っていなかった。

今、クリーン大作戦は行われているかどうかわからない。あれから何十年も過ぎ、色んな事件があった。もし自分の子供が同じことをするとなったら、僕は反対する。他の児童の親御さんも同じことを考えているだろう。街には何が落ちているかわからない。変な袋を拾ってきて、その袋に怪しい液体でも入っていたら大事件に繋がりかねない。バスや電車の車内アナウンスで、あれだけ気をつけるように言われている時代だ。集団で下校することには反対しないが、それ以外の危険が大きすぎる。娘はあと2年で小学生になる。

小学生がゴミを持ち帰ることは危険だが、大人がするとなるとどうだろう。ボランティアで今でも清掃活動がよく行われている。街や海や森のゴミがなくなり、奇麗になることはいいことだ。富士山も世界遺産に登録するために、有名な人を中心に清掃活動が行われたと何かのニュースで知った。きちんと分別できる人材が必要になる。

電車の中でゴミを見つけたら、多くの人がそのままにしておくのではないか。空き缶からこぼれたコーヒーは乗客から避けられ、駅員が清掃するまで放置される。勇気を出して自分が掃除しようと考える人は少ない。皆忙しい。それどころではない。危険なものが近くにあれば触らず近寄らず見て見ぬふり。誰かが何かしてくれるのを待つ。そういう電車に今日も乗る。

 

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